この1年、新しい試みとして行ってきたことのひとつが、学術的なコミュニティでのロジカルシンキングの認知度を上げることでした。ロジカルシンキングは学校関係者にはほぼまったく知られていません。知っていたとしても、胡散臭いノウハウと思われていることも珍しくありません。
2018年は、ここに一石を投じるべく、ロジカルシンキングについての学会活動を行ってきました。いずれも、情報処理学会のコンピュータと教育研究会での研究会論文発表になります。
- ロジカルシンキングにおける課題解決モデルの適用誤りのケース分析
Vol. 2018-CE-143, No 16, P1-8, Feb-2018
http://ow.ly/VAmo30n8atN - ロジカルシンキングにおいて目的と手段が反転する誤り事例の分析
Vol.2018-CE-145, No. 1, P1-8, Jun-2018
http://ow.ly/VAmo30n8atN - 政令指定都市のICT戦略骨子比較によるMECE指針の妥当性検証
Vol.2018-CE-146, No.10, P1-8, Oct-2018
http://ow.ly/fZWV30n8auw - 異なる分野への訴求を可能にする卒業研究概要フレームワーク
Vol.2018-CE-147, No.17, P1-8, Nov-2018
http://ow.ly/ISps30n8avi
ここでいうロジカルシンキングとは、アカデミックな意味でのロジックや論理のことではなく、経営や企画を中心としたビジネスシーンで使われている手法のことです。学生のうちにスキルを身につけられれば、社会に出てから戦力化までの期間を大幅に短縮できることが期待できます。
にもかかわらず、正当に評価されないのは、コンサルタントの書いた解説書を読む限り、学術的な「論理」とは無関係な上、専門分野の論文執筆にも応用できない、たかだかの営業トークTIPSにしか思えないからです。
【武庫川女子大学 (第143回研究会会場)】
学術論文が存在しないとまで言うと、さすがに言い過ぎな気もしますが、実際、論文の各種検索を試みても、紹介記事はいくつか出てくるものの、研究対象として扱ったものは見あたりません。
発表内容は異質な内容であったにもかかわらず、研究会参加者の先生方には暖かくご指導いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
この活動はまだ緒についたばかりです。続けることこそが重要と思っています。来年も引き続き活動を継続し、査読付のジャーナルペーパーへの投稿と、他の学会、研究会への展開を図りたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。