ドキュメント構造変換としてのロジカルシンキング

現在、私はロジカルシンキングの記事、研修、授業などをしていますが、実は本人の主観では社会人になりたての頃から続いている研究活動の一環です。もともと、富士ゼロックスにいたときに、文書に木構造の論理構造とレイアウトの構造があると捉えるという構造化文書の研究をしていました。電子ドキュメントをどう扱うかという技術にかかわるもので、今で言うXMLなどのメディア技術の走りになります。

f:id:ko1hayashi:20180818223914j:plain

当時のテーマは文書の論理構造をレイアウトするのか、あるいはそれをどう組み替えていくことで有用なサービスが考えられないか、といったことでした。その頃から気になっていたのは、真の論理構造とは何かということでした。章立てのようなアウトラインの構造になった段階で、すでにレイアウトの要素が入ってしまっているのではないかというところです。

その後、富士ゼロックスを離れて、コンサルティングの領域に踏みこむと、そこではロジカルシンキングという話で、ドキュメント構造の話に改めて直面することになりました。さらにはロジックツリーといったものが出てくるのですが、それらはゼロックス在籍中にQCで書かされた特性要因図に似た種類のものでした。その頃も、いまいちなツリー描画戦略だなあと感じたことを思い出したものです。

下の図は東京工科大学で行っている授業の流れですが、(主として)ツリー構造の変換だというのはおわかりいただけるかと思います。
f:id:ko1hayashi:20180818224059p:plain

戦略コンサルタントの人たちと話をすると、なんでも一緒くたにロジックツリーになってしまいがちなところを、それぞれ区別して関係を整理して体系化を試みてきました。MALTと呼んでいますが、ほぼ全体像が見えたかと思っています。

手際のいい研究者ならさくさくっとまとめてしまうのでしょうが、寄り道、遠回りして、30年もかかってしまいました。これからいろいろな形で展開を加速できればと思っています。