2ヶ月ほど前、ある会社様に協力して、トラブルシューティングの研修教材の作成をしていることをお伝えしました。
この問題意識は特にITのサービスの性能問題を解決する人材が不足しているところにあります。社会のあらゆるところで、数多くのITシステムが動いていますが、応答が遅くなった、返ってこなくなった、つながらなくなった、といった事象が性能問題です。
こうした事象はユーザとして誰にでも経験があるのではないでしょうか。システムの機能提供会社にとっては、収益に直結する重大なビジネス課題ですが、ITがインフラとなっている今の社会を脆弱にしているといっても言い過ぎではありません。
エンタープライズシステムに詳しい人には言うまでもないことだと思いますが、この原因を見つけて解決するのは簡単ではありません。システムの構成は複雑になっているので、何が原因で問題が生じているのか特定することが難しいのです。不調を起こしているのがどこなのか、ブラウザなのか、ネットワークなのか、ビジネスロジックなのか、データベースなのか、医師さながらに診断し、必要な手を打たない限り、いつまでたっても治りません。
この問題解決ができる人材は限られています。社会中に問題のあるシステムがあふれかえっているのに、それを解決できる技術者が圧倒的に不足しているという現実。私たちの暮らす社会を徐々に静かに蝕んでいるようにすら感じられます。
今回の教材開発は、こうした人材を育成することを目指したものです。問題解決の一助になればと思っています。