所信表明的な:これからの日本を担う戦える理系人材のために

私の本業であるピースミール・テクノロジーの仕事でお世話になってきた皆様には、既にお伝えしましたように、私は先月の27日をもって代表取締役を辞任し、顧問に就任しました。在任中さまざまにご指導下さいました皆様には改めてお礼申し上げます。

代表離任後の活動として、引き続きピースミール・テクノロジー社のスタッフの育成にコミットしていくとともに、他の企業様のお手伝いをさせていただくことになっております。さらに、これまで十分に力を入れることができなかった、ライフワークであるこのサイトの活動を推進していきたいと思います。

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過去記事の再編集版の配信もその一環となります。この機会に、私がなぜこの活動に取り組んでいるかについて、改めて書きおくことで、ある種の所信表明的な抱負といたします。

私は、システム開発上流工程での顧客への説明において、高いIT技術を持つスタッフが、底の浅い技術知識しかないコンサルタントに、資料の出来栄えと説明のコンペでまったく歯が立たず、信頼を失う場面を何度も見てきました。

科学技術に携わる理系人材が、学校教育の中で自らの活動内容を適切に表現するスキルを身に付けることなく、社会に出ているのは、本当に勿体ないことだと考えています。このことが日本の国際的な地位低下の遠因ではないかとすら思います。自分にはITがわからないとおっしゃる経営トップが日本に多い背景もこのあたりにあるのではないでしょうか。

いわゆる「ロジカルシンキング」をはじめとするコンサルタントの資料作成と説明のスキルは、ビジネス現場で有用であることが実証されています。しかし、学校教育を通じて学ぶ科学技術の基礎となっている「論理」とは無関係であり、正規の授業トラックに乗せられるレベルの整理はされていません。

私は正規の論理についての理解と、ビジネスで役立つロジカルシンキングの間の橋渡しをすることができれば、技術スキルを持つスタッフに、コンサルタントと遜色ない活躍がさせられるのではないかと考えました。その考えから、社内外のIT技術者のスキル向上に取り組み、ある程度の結果が出せたと自負しております。

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研修などを実施する中で、富士ゼロックスの研究所時代に携わった構造化ドキュメント処理が応用できることに気付き、体系の整備を進めることにしました。すでに書籍化も行ってきましたが、情報処理学会の研究会で先生方から受けたご指摘を反映することで、より高いレベルに至ったことから、改めて世に問いたいと考えております。

まずは、IT技術者をはじめとする社会人を対象としますが、最終的には中学や高校のときから身につけられるものを目指しています。整理した資料作成ノウハウ群は広く展開させることを第一に考え、ビジネス化、マネタイズは、その後で検討したい考えです。

林と同様の問題意識や経験を持たれている皆様とは、ぜひ連携をとって活動を進めたく、本業共々、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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