論理にはタテとかヨコとかないですよ

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論理の反対語は何? 聞かれるとどう答えますか? 感情? 直感?
違いますよね!論理の反対語は物理です。この業界では!ちなみにIT業界です。

タテの論理とヨコの論理、という説明を最初に聞いたときは、さすがに脱力しました。タテとかヨコとか、物理的な概念ですからね。

私には、宇宙空間に上下があると聞かされたような、宇宙空間で怪獣が爆発して、その破片が下に落ちる特撮映像を見たような、あり得なさがあって、しばし沈黙してしまいました。

これは2002年頃、ウルシステムズの立ち上げ期に、戦略コンサルタントの皆さんから技術者向けのロジカルシンキングのレクチャーを受けたときの話です。講師を務めてくれた方は、丁寧にも、horizontal logic、vertical logic と英語にしていたので、違和感さらに倍増でした。さすがに、そんな英語が通じるとは、思えないのですが、どうなんでしょうか。

ただ、これはもちろん、その人のせいではありません。そう書いてある本があるのです。「ロジカルシンキング」照屋華子、岡田恵子, 東洋経済新報社 (2001年)の P.122に以下のように書いてあります。

本書では、論理を次のように定義したい。
論理とは、結論と根拠、もしくは結論とその方法という複数の要素が、結論を頂点に、縦方向にはSo What? /Why So? の関係で階層をなし、また、横方向にはMECEに関係づけられたものである。

P.125には次の図が載っています。

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別にこの本も悪いわけではありません。この本はとても良い本で、経営層とのコミュニケーションに関わる人は一度は読むべき本だと思います。

実際、この定義だってわかりやすく、本の中に限れば、どう定義してもらっても構わないものです。資料の骨子の組み立てとして、決して悪い考え方ではないですし、わかりやすさは見事と言うほかありません。

ただ、この本が大ベストセラーになっために、この定義が一般的なものになって、他の流派の論理の考え方と不整合を起こしてしまったわけですね。

以上が、私と戦略コンサル派のロジカルシンキングの出会いその1です。
その1というからには、その2もあります。