内製化を阻むCIOT問題

今週の金曜日(1月22日)にプロジェクトマネジメント学会北海道支部にて講演を行います。講演では、内製化を目指すユーザ企業に立ちふさがるCIOT問題とその解決策としてのチェーン型開発についてお話する予定です。これまで、チェーン型開発については書いてきましたが、CIOT問題については書いてこなかったので、この機会に簡単に触れておきます。

ここ数年、システム開発は発注者が主導するのが当然という大きな流れができつつあり、システムの内製化を進めようとする動きも増えてきています。丸投げが当たり前だった、PMT社設立当時とは隔世の感があります。しかしながら、その一方で、内製化を試みたけれど、結局はうまくいかずに元の丸投げに逆戻りしたという例も多く聞かれます。

f:id:ko1hayashi:20180202233033j:plain

私は、昨年からこのことをCIOT問題と呼んで、ミルクを飲んでいるトラ赤ちゃんの写真と共に、内製化を試みようとされている皆様に注意喚起を行ってています。これは開発するシステムの規模が小さなうちは良いけれど、大きくなると、手に負えなくなってしまうということを意味しています。

システムの規模が小さなうちは、しっかりした技術者が集められれば、内製はそれほど難しくありませんが、大規模になると開発の統制が難しくなります。アジャイル開発も規模が大きくなると慎重な適用が必要になります。超高速開発と言われる手法も同様です。大規模化に伴って進む技術とコミュニケーションの複雑化に起因する本質的な問題だと考えています。

ちなみに、この問題をなぜCIOT問題と呼ぶのかですが、Chief Information Officer を表すCIOとも、また、最近巷を賑わせているIoTとも、まったく関係はありません。ミルクを飲んでいるトラの赤ちゃんとも関係ありません。落ち着いて意味を考えればわかりますので、ここではネタばらしはやめておきます。